研修について
札幌医科大学小児科での研修とは
北海道の多くの一般病院にとって、専門施設は地理的にも時間的にも遠い存在です。その環境で求められるのは、小児科専門医の高いプライマリケア能力です。何でも診る姿勢によって培われる豊富な臨床経験に加え、ダイナミックな広域搬送も、ここ北海道で経験することができます。
当科では、専門医取得まで高いプライマリケアの能力を身につけ、地域で活躍できる専門医を育成します。また、乳児健診・予防接種などを積極的に参加していただくことで地域保健を支えます。
医療の専門分化が進む現代では、全ての問題を一人で解決することはできません。それを補うべく、大学を中心とした各分野のエキスパートが一般病院のサポートを行っています。その双方が顔の見える関係を築くことで、当科が一丸となって北海道の子どもたちの健康を守る努力をしています。
研修プログラムの特徴
初期臨床研修終了後の医師3年目から小児科医としての研修が本格的に開始されます。
札幌医大病院と関連施設で研修し、小児科一般診療から専門領域の診療まで広く研修を行います。
小児科4年目(医師6年目)には小児科専門医を取得することができます。
初期研修について
小児科を志望する研修医には、1年目は内科・救急など医師としての礎となる分野をしっかりと学び、そのうえで最短でも4週間は小児科を選択し学生時代に漠然と考えていた小児科に医師として触れることで魅力を感じていただきたいです。2年目は小児科で最短でも8週間、可能であればもっと長期間を研修し、主治医としてチームに参加し、小児科医として働く青写真を描いていただきたいです。
小児科の研修は、大学病院では血液、神経、児童精神、感染免疫・内分泌・腎臓・心臓(Gene班)、新生児の各専門グループにおいて、教育関連施設では感染症を中心とする一般小児科において、後期研修医やそれに準ずる医師と同じ行動をとれるように指導いたします。大学では感染症以外の領域を中心により専門的な立場から、患者さん、親御さんへの接し方、小児科医、医師としての考え方のトレーニングも行います。
小児科専門医研修について
小児科医は成長、発達の過程にある小児の診療のため、正常小児の成長・発達に関する知識が不可欠で、新生児期から思春期まで幅広い知識と、発達段階によって疾患内容が異なるという知識が必要です。さらに小児科医はgeneral physician としての能力が求められ、そのために、小児科医として必須の疾患をもれなく経験し、疾患の知識とチーム医療・問題対応能力・安全管理能力を獲得し、家族への説明と同意を得る技能を身につける必要があります。
本プログラムでは、「小児医療の水準向上・進歩発展を図り、小児の健康増進および福祉の充実に寄与する優れた小児科専門医を育成する」ことを目的とし、一定の専門領域に偏ることなく、幅広く研修します。専攻医は「小児科医は子どもの総合医である」という基本的姿勢に基づいて3年間の研修を行い、「子どもの総合診療医」「育児・健康支援者」「子どもの代弁者」「学識・研究者」「医療のプロフェッショナル」の5つの資質を備えた小児科専門医となることをめざしてください。
専門研修1年目及び2年目は主に札幌医科大学附属病院の連携施設で感染性疾患・内分泌代謝疾患・血液腫瘍疾患・アレルギー疾患・呼吸器疾患・消化器疾患・腎泌尿器疾患・循環器疾患・神経疾患を担当医として研修し,周産期センターなどの新生児部門では新生児疾患・先天異常疾患を研修します。
3年目は札幌医科大学附属病院で感染性疾患・腎泌尿器疾患・内分泌代謝疾患・血液腫瘍疾患・免疫アレルギー疾患・呼吸器疾患・消化器疾患・循環器疾患・神経疾患・児童精神疾患・新生児集中治療などの各専門分野についても総合的に研修します。
3年間を通じ、外来での乳児健康診査と予防接種などの小児保健・社会医学の研修と救急疾患の対応を担当医として研修します。札幌医科大学は、北海道、札幌市の医育大学の一翼を担っており、教育病院として、また地域医療を支えるセンター病院として存在しています。大学病院としての高度な専門医療に対応するため、各専門領域に経験豊富な専門医を有し、さらに2次から3次までの救急患者を受け入れる体制も有しているため、小児科医として欠くことのできない救急疾患の対応、急性疾患の管理も研修できる施設です。さらに、北海道各地にある連携施設で急性疾患の対応と慢性疾患の初期対応を経験でき、地域の特性と病院の役割に応じて、すべての領域にわたり、もれなく経験できる体制を構築しています。当プログラムでは、小児科専門医取得後のキャリアプラン(学位取得,各Subspecialty領域専門医取得)も計画し、応募と同時に小児科教室への入局をお勧めしています。